ホントにホント

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Mー1グランプリ2019を見直してみる②

さてさて、前回に引き続きMー1グランプリ2019の後半戦をレビューしていきたいと思います。

 

www.m-1gp.com

 

 

⑥見取り図

前年に引き続き決勝進出の実力派コンビですね。

今回は互いを褒め合おうというネタを披露しました。

ツッコミの森山さんの褒めをボケのリリーさんがひたすらスカすというかけ合いがすごく愉快でした。個人的に森山さんの声のトーンが好きなんですよね。高いキーのコテコテの関西弁がすごく聞き取りやすくてGOODです。

序盤は褒め→スカしの繰り返しなんですが、徐々にディスり合いに発展していく。しかもそのディスりワードのチョイスが絶妙なんですよね。絶妙に「わかるわ〜」のラインをついてくるんですよ。次は何?次は何?と興味を持続させてくれます。

そして時折入る森山さんの自虐?とセリフ噛みへの咄嗟のフォローが痛快でした。(あとダンサーの綱吉って誰ー!?も)

残念ながら最終決戦には進めなかったのですが、実力は間違いなくあるコンビなので、来年に期待したいです。

 

⑦ミルクボーイ

きましたよ!この年の王者の登場です。筆者、この時点で未見だったのですが圧巻でしたね。2005年のブラマヨを彷彿とさせる空気でした。これぞ笑いの応酬。

ネタはボケ 駒場さんの母が忘れてしまった好きな朝食を2人で探っていくといったもの。すごくフレッシュでした。コーンフレークやないか、コーンフレークちゃうがなのやり取り、最高です。

ツッコミ内海さんのコーンフレークへのゴリゴリの偏見が面白くて面白くて。しかも笑えるラインを確実についてくる。

あと漫才って、観客に次はなんて言うんだろう?期待させた時点でもう勝ってる気がするんですよ、会場を完全にジャックしてましたよね。

この漫才のフォーマット、ありそうでなかったしどんなテーマでも面白くできそうだなと思いました。

内海さんのビジュアルと声高さもすごく魅力的でした。

点数はなんと681点!歴代最高得点を叩き出しました。

 

⑧オズワルド

こちらも初見でした。ミルクボーイの爆発の後での登場となり、すごく難しい出順だと思いました。

2人の掛け合いはオフビートな調子で、キチンとツッコむPOIZON GIRL BANDをという印象でした。序盤は落ち着いた入りなんですが、徐々にツッコミの伊藤さんが声を荒げていく様子がとても面白かったです。

この手のボケに対してスカしたツッコみをしてしまうと、滑りそうでハラハラするのですが、伊藤さんの場合はしっかりツッコみを入れるので漫才がフワッとすること無く、形になっていたと思います。

あと出演者の皆さんも言っていましたが、声がいい!聞きやすい!

ただ、面白いのですがMー1で優勝するタイプのコンビではないかなと思ったりしました。

 

⑨インディアンズ

筆者が応援していたコンビです。スーパーハイテンションのボケ田渕さんのボケ連打にツッコみのキムさんが振り回されていくというスタイルの漫才です。今回はおっさんっぽい女子をテーマにしたネタを披露しました。

田渕さんのキャラ全開ですごくキャッチーなので、会場ウケも序盤は良かったのではないでしょうか?ただ、田渕さんの一人喋りがやや長く、ツッコミが入るまで笑いが無かったのが残念でした。

あと、このコンビはやり取りで笑わせるというよりも田渕さんのキャラで押し切ることが多いのですが、肝心の言葉が聞き取りづらい。お客さんも置いてけぼりになっている時間が長かったかなぁと思ったのが正直なところです。手数は多かったんですが笑いが伴ってなかったなぁ。。

 

⑩ぺこぱ

こちらも初見のコンビでした。(初見多いなぁしかし)

出てきた時は「うわ、絶対ビミョーじゃん」と思った覚えがあります。ですが最初のツッコミの後に、ん?と興味を惹かれ、段々とハマっていき気づけば笑いっぱなしでした。笑

ツッコみの松蔭寺さんなんですが、徹底してツッコまないんですよね。ツッコむのかと思いきや相方を肯定するんですよ。(というより否定しない)

従来の漫才って正しさや常識は常にツッコみ側にあってボケ側は訂正される存在なんですよね。ただぺこぱの漫才は「正しい」存在がいない。よくよく考えればそれもありかもしれない、的な。それが凄く新鮮というか、今の時代に合ってると思いました。(みんな違ってみんな良い)

あとぺこぱに関しては順番が大きく味方したと思います。最高のタイミングではなかったのではないでしょうか。ボケ→ツッコミの構図の漫才を9組観た後にぺこぱを観ることで、松蔭寺さんのツッコミ(ツッコまない)がより引き立つんですよね。前の9組が全部フリになっているっていう。ぺこぱにとっては最高に美味しかったでしょうね。

これがもし5番目6番目だと、ああこういうスタイルのコンビもいるんだな、面白いで終わったと思うんですよ。

 

 

総評

この年のMー1はレベルが高かった!どの組も面白かったというのが素直な感想です。

いつもだとMー1ってウケないコンビが何組かいるじゃないですか?ところがこの年は違った。

というより、笑みクジでの抽選が神がかってましたね。全ての組が出るべき順番で出てなおかつそれぞれの仕事をした。M−1ってガチンコ勝負の賞レースで間違い無いんですが、同時にテレビ番組=ショーでもあるんですよ。出演者の実力も疑いの余地無しなんですが、番組の流れとして凄く上手くいった。だからこそレベルの高い大会と呼ばれているのかなとも思ったりします。

 

あと個人的に残念だったのが和牛の敗退ですね。本人たちがもうM−1は出ないと宣言しており、最後まで優勝できなかったのが悔やまれます。

 

ただ、初見のコンビが多い中でこんなにも楽しめたので、2020年大会にも新たな驚きを期待したいところです。

 

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